今日もエンターテイナーに生かされている

流行にはワンテンポ遅れて乗るタイプ

新幹線の移動時間って何をしていますか?

4月、珍しく大阪~東京を2往復しました。1度目はプライベートで、2度目は仕事で。
2回とも新幹線での移動でした。新大阪駅~東京駅までは約2時間半、この時間を私は嫌いではありません。むしろ好きなのかもしれません。この時間を利用して何をして、何を考えていたかを書いてみます。

 

私と乗り物

この話をすると、私という人間と乗り物との長い確執を話さなければなりません。
私は幼い頃から乗り物酔いがとても酷く、それはそれはたくさんの大人たちに迷惑をかけ、同級生から異質を見る目で見られてきました。周りからの目は正直どうでもいいです。
車やバスを見ると唾が急に増えて緊張しだします。気合いを入れて覚悟を決めないと乗り物に乗り込めませんでした。乗ってからも目を強く閉じ、いつでも対応可能なようにエチケット袋を握りしめ、口呼吸をして匂いを嗅ぐことをやめます。それでも気持ち悪くなるともう成すすべはありません。というか乗った瞬間からもう気持ち悪いんですけどね。残念ながら抗うことはできません。ただただ自分の体の中で起こる異常事態を鎮めることだけが優先事項でした。
遠足でも修学旅行でも宿泊研修でも、私は常に先生の隣、バス移動も新幹線移動も。同級生の隣に座ったとしても酔いが始まると真っ青な顔に変わった私を見て同級生が「先生〜!」と叫ぶのがいつものことでした。(酔い止めの薬は効いたことがありません。高校生の頃は半分睡眠薬みたいな薬を飲んで乗車していました。)
そんな私ですが、今は「乗車マイルール」を守れば車もバスも新幹線も平気で乗れるようになりました。その中で一番やってはいけないことがあります。それは「活字を追うこと」です。本やスマホは論外、ついでに言うと新幹線の中でテロップのように流れる広告や運行案内なんかもなるべく読まないようにしています。なので、私は乗り物に乗るとその時間を使ってできることがとても限られてくるのです。ですが先にも述べたように私はこの移動時間が嫌いではありません。幼い私に教えてあげたいです、こんなことを言えるようになるまでに私は移動時間を好きになれているよ、と。

 

食事

新幹線に乗る前に食料を調達しました。往路は2回とも朝7時台だったので、朝ごはんです。と言っても家を出る前に食パンでお腹は満たしていました。空腹で乗車することは乗り物酔いサバイバルには最悪条件なのです。しかし昼食までかなり時間が空いてしまうので新幹線の中でも何か口にしたかったのが正直なところ。そこで私は新大阪駅でシリアルバーを購入して持ち込みました。これをちょこちょこ食べながら空腹にならないように気をつけていました。
ちなみに飲み物は水、お茶が基本です。私の経験上柑橘系ジュースとコーヒーはNG。酔いやすくなってしまいます。どうしてもカフェインが欲しいときは紅茶系がおすすめです。お気に入りは午後ティーのミルクティー常温です。
復路は東京駅で駅弁を買い持ち込むのが定番になってきました。新幹線に乗る時間など関係無く、もはや何ご飯かも分かりません。ここでも条件があります。それはその日の体調にかなり寄り添ったメニューを選ぶこと。駅弁は割となんでもOKですが、少しでも酔いそうだなと思った日は揚げ物を避けます。あと強い匂いがするもの(中華系など)も避けたりするときもあります。
こうやって選んだお弁当も、発車直後は食べません。なぜなら周りの人たちが一斉にお弁当の蓋を開けて車内になんとも言えないおいしそうなジャンルレスな匂いが充満するからです。この中でマスクを外すと確実に酔います。発車直後はマスクをして、窓の方を向いて匂いから逃げることが大事です(座席は必ず窓側を取ります。窓側以外は絶対に座りません)。私がお弁当を食べ始めるのは、周りが食べ終わって一息ついた新横浜駅を過ぎたあたりからです。一気に食べるのではなく、これまたちょこちょこと空腹を満たしていく感じで胃に運んでいきます。

 

音楽

普段の通勤でも必ずイヤホンをして周りの音を遮断している私、新幹線でもこれは必須です。2時間半、音楽を聞きっぱなしです。いつもはウォークマンの全曲シャッフルを流しっぱなしにするのですが、ジャニーズを避けている期間真っ最中なので全曲シャッフルはできませんでした。だって入っている6割くらいがジャニーズなんだもん。今回は高橋優さんとGreeeeNをずっと聞いていました。最近ハマっているのは高橋優さんの『雪の筆跡』とGreeeeNの『ガム 噛む wonder come』です。歌詞が好きです、もはや文学です。

 

車窓の景色

活字を読めない私は窓の外を眺めているのが基本姿勢です。そんな私が毎回見るようにしている景色があります。別に見たところで何かが起こるわけでもありません。これを見て「新幹線に乗って東京行くんだな」と思うだけです。その「思う」ことが大事だったりします。

・京都駅付近、五重塔
「京都だ!」って思います。京都なんていつだって行けるのに、なんなら大学時代は毎日通っていたのに、THE・京都はやっぱりテンション上がります。

名古屋駅付近、ナゴヤ球場およびドラゴンズ二軍施設
中日ファンではないのですが、野球ファンとして野球場を見るのは好きです。昼間に通るときは「選手出てきてないかなぁ」と頑張って目を凝らして見ます。

浜名湖
水が近くに無い土地で生まれ育ったので、川も海も湖も、水がだだっ広く広がっている景色が好きなんです。浜名湖はいつも海かと見間違います。

掛川駅通過直後、嬬恋の畑
昔、テレビで「つま恋のキャベツ」のCMを見たのを思い出します。地名に「恋」の文字が入っているのが子供ながらに強烈に記憶に残っていたんだと思います。

静岡県内、茶畑
小学生のとき遠足で、棚田をバスの中から見て先生が棚田の説明をする、という時間があったのですが、私は相変わらず酔っていて寝たフリをして棚田を見られなかったことをいつも思い出します。さぞきれいな棚田だったんだろうな、ここの茶畑も相当きれいです。

・熱海
このあたりはトンネルが連発します。その間から見える熱海の海は何度見ても心の中で歓声を上げてしまいます。水景色はテンション上がりますね。

・新横浜駅手前、横浜隼人高等学校
バファローズの宗選手の母校です。女子野球が強いです。一瞬で通り過ぎてしまうので、いつも小田原を過ぎたあたりから見る準備をします。

いつも大体A列を取るので、富士山は見えません。あまりに快晴で見たい!と思ったときだけ席を立ってドアの窓から見るようにしています。富士山って大きいので(当たり前だろ)、見始めるとキリが無いんですよね。むしろその周辺の建物や民家を見て「毎日富士山を拝めるのか」と想像するほうが好きです。
この流れで東京駅到着です。東京に入った瞬間から景色がビル群になるのも好きです。

 

寝たいときは大概名古屋駅~浜松湖のあたりで寝るようにしています。でも熟睡はできなくて、イヤホンから流れてくる曲は結構覚えていられるくらいの軽いうたた寝です。
仕事で行くときは、途中駅に停車中にササッとメール確認をします。新幹線がトップスピードに乗るまではまだセーフなので返せるメールはそこで返しますが、ほとんど何もできないのが正直なところ。移動中に仕事するなんて私には到底無理な話なんでしょうね。体質なので仕方が無いです。

こんな制限だらけの移動時間ですが、頭の中を整理できるので好きな時間なのだと思います。この2時間半は強制的にデジタルデトックスができるのですから。