今日もエンターテイナーに生かされている

流行にはワンテンポ遅れて乗るタイプ

『君の名前で僕を呼んで』

ずっと見ようと思っていたのですが、他に見たいものが多くて後回しにしていた1本。(こんな言い訳ばっかりだな)

 

エリオの見えている範囲だけを描くことで、まるでエリオの日記を読んでいるかのようでした。

日本の映画は良くも悪くも説明が多すぎます。
この映画のように、登場人物たちの関係性をはっきりと説明しなくても見進められるんだと思いました。

例えば冒頭のシーンで、エリオとマルシアが同じ部屋にいたので二人はきょうだいかと思っていました。
後半で二人の関係性が描かれるまでずっとそう思っていたので、お互いの服を脱がせ合うシーンを見て私の理解が追いつかなかったことを正直に告白します(笑)

 

必要だから描く、必要ないシーンは描かない。これが徹底して最初から最後まで貫かれていたように思いました。
必要以上の濡れ場も無く、第三者が目撃していたなどの演出も無く、エリオが見たものだけを描く。
エリオと同じように、周りにどう思われているか観客も推測しながら見ることができ、それが感情移入に繋がっていくのだと感じました。

 

同じような題材で日本映画にすると、もっとねっとりとした味の濃い作品になってたと思います。
まあ、日本はそういうドロドロしたのが受ける傾向にありますから当然なのでしょうが。。

 

LGBTにフォーカスし過ぎず、ごくごく普通の恋愛にとれる同性愛を描いた映画の数少ない1本です。